ラヴシンドローム～意地悪なkiss～

　
悪いけど、しっかり見た。


花梨の隣で照れくさそうに笑っていたのは、間違いなく男だった。


……なんとなく予想はできる。


「元彼？」


花梨の小さな肩がビクッと上がった。


図星か。


「いや……あのね……この携帯、中学校の頃から替えてなくて……。

プリクラとか貼ったまんまなんだ、あは、あはははは……」


苦しい言い訳だな。


「まだ好きなの？」


「えっ？」


「そいつのこと」


「う……ううん、まさか！

だってもう彼には彼女いるから！」


「ふーん」


ま……別にどうだっていいんだけど。


俺、コイツに本気になってるわけじゃねーし。


他に男がいようがいまいが関係ない。


関係ない……はずなんだけど。


なんだ？


このモヤモヤした感じ。