ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
───……「やべー……俺、ファーストキスだわ」


懐かしい橋本くんの声が頭の奥に響いた。


───……「え、花梨も初めてなのか?

まじかよ、じゃあお互い初心者同士じゃねーか」


橋本くんの笑顔がぼんやり浮かぶ。


───……「なら、これからは2人でいっぱい初めてなコト経験していこーな!」


心が震えた。


「……花梨?」


唇が離される。


ぼんやりした視線の端に、少し驚いたような表情をしたミナキくんが見えた。


「花梨、何で泣いてるの?」


え……?


ゆっくりほっぺを触ると、しっとりと手が濡れた。


「……あくび、かな」


とっさについたありえない嘘。


ミナキくんは怪訝な顔をしている。


「嫌だった?」


ミナキくんが私のほっぺに軽くキスをした。


涙の跡に沿って唇を移動させていく。


 
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