ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
でも、ミナキくんの口から飛び出したのは思いがけない言葉だった。
「……うっせーよ」
最初は私に言ってるんだと思った。
でも、謝ろうとして顔を上げた時、ミナキくんの視線が私ではなく先輩に向けられていることに気付いた。
ミナキくんが先輩を突き飛ばして、冷たく睨み付けていた。
「アンタみたいなゲビた女は好みじゃねーんだ。
引け」
私じゃなかった。
その冷たい言葉の刃が向けられていたのは、私じゃなくて先輩だった。
「目障りだから消えろ」
その冷たく鋭い言葉のナイフが向けられたのは、私じゃない……。
先輩が泣きながら私の横を走り去っていった。
ミナキくんが冷たく追い払ったのは、なぜか私ではなく先輩だった……。