ラヴシンドローム~意地悪なkiss~
 
「花梨、おいで」


恐る恐るミナキくんを見ると、綺麗な顔からは悪魔みたいな表情は消えていて、いつもの優しい表情に戻っていた。


私がおずおずしていると、「遅い」って言いながら、ミナキくんは優しく抱き締めてくれた。


……その時だった。


その時、なんだか不思議な気持ちになった……。


体の芯が熱くなって、胸が大きく高鳴った。


ドクンドクン、という心臓の鼓動が鮮明に聴こえた。


何で先輩を追い払ったの……?


何で私を選んだの?


そんな疑問が頭の中をグルグル回った。


混乱する反面、ちょっと喜んでる自分がいて焦る。

 
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