愛され彼女
繋いでいた俺の手に律が爪をたてた。律の爪が俺の手の甲に容赦なく食い込む。
「いって」と言いながら律から手を離すと律は笑っていた。
あぁ、こんなんやられてんのに律のこと愛おしくてたまらない。
「お!和人じゃん」
名前を呼ばれて振り向くと違う高校の友達がいた。
こいつは中学は一緒で結構仲良かった。
「都、久しぶりだな」
律は分からないようで都をジーッとみていた
……見すぎだろ。
「えっこの子、和人の女!?」
都が驚いたように律を見返すが、すぐに視線をそらして俺をみた。
「うらやましいだろ」
「はっ!?めっちゃ可愛いじゃねえか」