愛され彼女
「じゃあ俺行くな」
「おう。また連絡しろよ」
都はポケットに手を入れて歩きだそうとした。がまた振り返って俺をみた。
「あー………和人」
「なんだよ」
さっきとは明らかに違う都に律も不思議な表情を浮かべていた。
ただならぬ都の表情に俺は息をのむ。
「あー……やっぱいいわ」
「言えよ。気になんだろ」
悩む都に俺は無理矢理笑いかけた。律もキョロキョロ俺と都を見ている。
「あの…ただ聞いただけだからな」
「ん。」
「嫌みとかじゃないかんな」
「んー。」
次の言葉が都の口から発せられた瞬間俺の中の時がとまった気がした。