愛され彼女
さっきまで相崎といたくせに…
ん?相崎初めて言ったか
俺と律がいるシートに上がってきやがった。
多分律かなんとか華織の友達だろう?けなしたり断ったりできねえじゃん。
「あー、いいよ」
「まじでぇ?ありがとうっ」
奈美恵ってやつは律がいる方と反対の方、俺の隣に座った。
近……。そして暑………。
はやく済ませたくて俺はかなりの勢いで浮輪を膨らませる。隣座っていい、なんて言ってねえのに…
「すごぉい!向井君膨らませるの速いね」
「はい、律。」
かるく奈美恵をスルーしてパンパンになった浮輪を渡すと律が小さい声で「ありがと」と言って立ち上がった。