愛され彼女
「えっ!ちょっ!和人!」
律はすぐにしゃがみこむ俺の側にきてくれたみたいで今だに頭を抱える俺の背中をさすってくれてる。
どうか俺の声がワカに聞こえてませんように
どうか律の「和人」と言った声が聞こえてませんように
俺は祈りながらも下を向いたままだった。
「暑いの?熱中症?パラソルんなか行こうよ!」
律は俺を立たせると俺らのパラソルまで手を握っていてくれた。
帰りたい、帰りたい。
ワカがいるこの場所からどこかなるべく遠くへ行きたい。
パラソルにつくと律は自分が怒っていたのもすっかり忘れたのかうちわで仰いだりして俺を冷やしてくれた。