愛され彼女
もちろんその放課後も和人は2の5の教室にいた。
暇そうに窓をのぞきながら。
もう、やめてくれればいいのに
だっておかしいでしょう?杏さんっていう恋人のために遊びで付き合おうとした女を待つって。
じゃああたしが「もうやめて」って中に行けばいいのにって?
いけないよ、行けるはずないよ。
こうやって和人がいる教室の前で座ってることしかできないあたしだもん。
ガララっ
ビクッとして教室をみると中に誰か入ったみたい。
髪が茶色い女の子だったらしく和人に近寄っていった。
「向井君誰待ち?」
「あー…。一条 律」