愛され彼女



その時ドクンと心臓が鳴った。


あれは本当の顔なの?嘘の顔なの?


「一途だね。うまくいきそうなの?」


女の子が察したように離れた真ん中あたりの机に和人に背中向けて座った。


「全然。タイプすらちげぇもん」


タイプ?あたしのタイプってこと?


「律ちゃんはどんな子がタイプなの?」


「制服着崩さないで髪黒くて頭良くて時間にルーズじゃない人」



―――――――………え?


今のってあたしが休み時間に華織と話してたタイプの話―?


絶対聞こえないって思ってたのに――


「髪黒いのしかあてはまってねえよ」


嘘。頭良いくせに…。


「じゃあ制服ちゃんと来て登下校時間守ったら?」


「あ……そっか。」


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