Bloody Kiss
恢の隣を歩きながら、今までの状況を整理する。
この街に武器屋はあの一軒だけ。しかも置いているのは普通の狩猟銃が大半で、銀の弾丸はほんの少ししか置いていない。
つまり、この街にはバケモノがあまり現れない。そしてヴァンパイアの存在も信じていない。
これらのことが表しているのは、この街にあのヴァンパイアに関する情報がある可能性は低いということ。
「この街も空振りみたいね」
隣を歩く恢に話し掛ける。
「あぁ、そうだな」
恢はまるで興味ないようで、こっちを見ようともしない。
私は改めて恢の横顔を眺めた。血の気のない青白い顔。赤黒い瞳(血の香りを嗅ぐと初めてあった時みたいな恐ろしい紅い瞳になるけど、普段はこの色なんだって)。閉じられた唇の奥に隠された鋭い牙。
見れば見るほど御伽噺の吸血鬼そのものなのに、何故皆は気付かないのだろう。やっぱりその存在を信じていないからかな。
「俺の顔に何かついてるか?」
突然恢の口が開いた。一度もこっちを見ていないのに気付かれた。まぁあれだけガン見されたら流石に気付くか。
「ううん。ただ見てただけ」
「そうか」
無表情でそれだけ。恢って本当に掴めない。一体何を考えてるんだろう。
そう思っていると、突然恢が足を止めた。
「ん?どうしたの?」
恢の顔を見上げると、ある一点を見つめていた。その視線を辿ると大衆酒場の看板がライトアップされていた。
「酒場ね。ここなら何か情報があるかも」
「入るぞ」
「……うん」
恢に手を引かれながら、酒場に足を踏み入れた。途端に煙草とアルコールの匂いが押し寄せてくる。
旅を始めてからこういった酒場には何度も立ち寄っているから慣れてはきたけど、本当は苦手……。
この街に武器屋はあの一軒だけ。しかも置いているのは普通の狩猟銃が大半で、銀の弾丸はほんの少ししか置いていない。
つまり、この街にはバケモノがあまり現れない。そしてヴァンパイアの存在も信じていない。
これらのことが表しているのは、この街にあのヴァンパイアに関する情報がある可能性は低いということ。
「この街も空振りみたいね」
隣を歩く恢に話し掛ける。
「あぁ、そうだな」
恢はまるで興味ないようで、こっちを見ようともしない。
私は改めて恢の横顔を眺めた。血の気のない青白い顔。赤黒い瞳(血の香りを嗅ぐと初めてあった時みたいな恐ろしい紅い瞳になるけど、普段はこの色なんだって)。閉じられた唇の奥に隠された鋭い牙。
見れば見るほど御伽噺の吸血鬼そのものなのに、何故皆は気付かないのだろう。やっぱりその存在を信じていないからかな。
「俺の顔に何かついてるか?」
突然恢の口が開いた。一度もこっちを見ていないのに気付かれた。まぁあれだけガン見されたら流石に気付くか。
「ううん。ただ見てただけ」
「そうか」
無表情でそれだけ。恢って本当に掴めない。一体何を考えてるんだろう。
そう思っていると、突然恢が足を止めた。
「ん?どうしたの?」
恢の顔を見上げると、ある一点を見つめていた。その視線を辿ると大衆酒場の看板がライトアップされていた。
「酒場ね。ここなら何か情報があるかも」
「入るぞ」
「……うん」
恢に手を引かれながら、酒場に足を踏み入れた。途端に煙草とアルコールの匂いが押し寄せてくる。
旅を始めてからこういった酒場には何度も立ち寄っているから慣れてはきたけど、本当は苦手……。