Bloody Kiss
しばらく泣き続けていると、ヴァンパイアの手が動いた。その手は流れるような動きで私の肩を掴み服から引き剥がした。

『居場所が欲しいならくれてやる』

驚いて顔を上げると紅い瞳とぶつかった。魅入られたように目が逸らせなくなる。

『その代わり、お前の命を俺に預けてくれないか』

突然のことに目を見開き驚く。それは私の命を奪うということだろうか。

彼は私から目を逸らすことなく続けた。

『俺はお前を襲った吸血鬼を追っている。お前が何故あいつに狙われたのかはわからないが、あいつはまたお前を襲いに来る』

『私をエサにするってこと?』

『早い話がそう言うことだ』

『……いいよ。それで居場所が手にはいるなら』





これが私たちの旅の始まり。



< 4 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop