Bloody Kiss
あの惨劇から二年が経過した。つまり、白銀の髪のヴァンパイアと出逢ってから二年が経ったということだ。
私たちは目撃情報や吸血鬼絡みと思われる事件の情報を手掛かりに旅をしている。でも、私を襲ったヴァンパイアとはあの時以来一度も出会っていない。
「恢!」
前を歩く白銀の髪の青年を呼び止める。
「何だ?」
少し不機嫌な彼が振り向いた。
夜の世界で生きる彼にとって昼の世界は少し億劫なのだろう。
「何でもない!」
私は彼の左腕に絡み付く。彼は特に気にする様子もなくまた歩き出した。
この二年、彼・恢と旅を続けてきた。私は恢がくれた居場所にすっかり落ち着いていた。
「アリア」
隣を歩く恢が突然止まり私の名前を呼んだ。
「何?」
「今日はここに泊まろう」
恢の視線の先を辿ると、いい感じに寂れた宿屋があった。
私達は豪華なホテルに泊まれるほどの収入があるわけではない。そもそも宿なんて寝床があれば十分。このくらい寂れた宿屋で用は足りるのだ。
「そうね。じゃあ早速部屋を取らなくちゃ」
私はそう言って宿屋へ向かった。
私たちは目撃情報や吸血鬼絡みと思われる事件の情報を手掛かりに旅をしている。でも、私を襲ったヴァンパイアとはあの時以来一度も出会っていない。
「恢!」
前を歩く白銀の髪の青年を呼び止める。
「何だ?」
少し不機嫌な彼が振り向いた。
夜の世界で生きる彼にとって昼の世界は少し億劫なのだろう。
「何でもない!」
私は彼の左腕に絡み付く。彼は特に気にする様子もなくまた歩き出した。
この二年、彼・恢と旅を続けてきた。私は恢がくれた居場所にすっかり落ち着いていた。
「アリア」
隣を歩く恢が突然止まり私の名前を呼んだ。
「何?」
「今日はここに泊まろう」
恢の視線の先を辿ると、いい感じに寂れた宿屋があった。
私達は豪華なホテルに泊まれるほどの収入があるわけではない。そもそも宿なんて寝床があれば十分。このくらい寂れた宿屋で用は足りるのだ。
「そうね。じゃあ早速部屋を取らなくちゃ」
私はそう言って宿屋へ向かった。