Bloody Kiss
プライベートを覗いているみたいで罪悪感はあったけど、恢やエリィのことが知りたくて続きを読み進めた。

写真を撮ってから間も無く、エリィの母親は亡くなっていた。でも気になったのはそこじゃなくて、次の出来事だった。

『エリィの実父が引き取りを申し出る。』

『ローゼングラール伯爵自らエリィを引き取りにやってくる。』

……伯爵!?
エリィって貴族の娘だったの!?
それなのにこんな辺鄙なところに住んでたなんて。
もしかして出生のところに父親の名前が書かれていなかったのも隠し子だからだったりして……。

予想外のエリィの出自に驚きつつも続きを求めてしまう。この後エリィや恢はどうなったのだろう。確かめずにはいられなかった。

続きを見ると、本当に伯爵に引き取られたらしく、そのページにエリィの名前が出てくることはなかった。もうエリィの名が出てくることはないと思っていたが次のページで再びその名前を見付けた。
エリィが引き取られてからおよそ十年後。

『エリィが屋敷に戻る。何か問題を起こしたらしく父親に勘当されたそうだ。』

…………。

父親に勘当されるって一体何をしたの?
勘当って相当だよね?

エリィのこと、勝手にお嬢様をイメージしてたけど、そのイメージが崩れていくような気がした。
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