Bloody Kiss
目の前がパァッと明るくなった。
茂みを抜けて辿り着いたのは、庭園。
色とりどりの薔薇で囲まれた秘密の場所。
「……知ってる。ここは……」
フラッシュバックのように数々の思い出が溢れ出してきた。薔薇の色、香り、甘い紅茶とお菓子、大好きなお兄ちゃんとお姉ちゃん……。
「アリア?」
聞き慣れた低い声。
「どうした?」
そこにいたのはあの頃から全く変わらない恢の姿。10年以上前の出来事なのに記憶の中の姿と完全に重なる。
「……お兄ちゃん」
「っ!!」
驚いたのだろう。恢が目を大きく見開く。
「あれは……」
溢れ出す記憶の一つ一つを確かめるように、目の前の現実と記憶を照らし合わせていく。いつも美味しいお菓子が置かれていたテーブル、小さな井戸、赤い薔薇のアーチ、白い薔薇のトピアリー。花は変わっているけど位置は変わっていない。
「ここで出会ったお兄ちゃんとお姉ちゃんは……」
それは紛れもない確信だった。
「恢と、エリィさんだったんだね」
そう、私は二人に出会っていた。
学校に通い始める少し前、偶然迷いこんだこの場所で、まるでお姫様のようなお姉ちゃんとそれを守る騎士のようなお兄ちゃんに出会い、何度か一緒に過ごした。
お兄ちゃんが恢なら一緒にいたお姉ちゃんはエリィで間違いないだろう。
茂みを抜けて辿り着いたのは、庭園。
色とりどりの薔薇で囲まれた秘密の場所。
「……知ってる。ここは……」
フラッシュバックのように数々の思い出が溢れ出してきた。薔薇の色、香り、甘い紅茶とお菓子、大好きなお兄ちゃんとお姉ちゃん……。
「アリア?」
聞き慣れた低い声。
「どうした?」
そこにいたのはあの頃から全く変わらない恢の姿。10年以上前の出来事なのに記憶の中の姿と完全に重なる。
「……お兄ちゃん」
「っ!!」
驚いたのだろう。恢が目を大きく見開く。
「あれは……」
溢れ出す記憶の一つ一つを確かめるように、目の前の現実と記憶を照らし合わせていく。いつも美味しいお菓子が置かれていたテーブル、小さな井戸、赤い薔薇のアーチ、白い薔薇のトピアリー。花は変わっているけど位置は変わっていない。
「ここで出会ったお兄ちゃんとお姉ちゃんは……」
それは紛れもない確信だった。
「恢と、エリィさんだったんだね」
そう、私は二人に出会っていた。
学校に通い始める少し前、偶然迷いこんだこの場所で、まるでお姫様のようなお姉ちゃんとそれを守る騎士のようなお兄ちゃんに出会い、何度か一緒に過ごした。
お兄ちゃんが恢なら一緒にいたお姉ちゃんはエリィで間違いないだろう。