オオカミとうさぎちゃん
灯田愛華
「愛華!こっちこっち!」
「瞳!」
私、灯田愛華です。今日は高校の入学式。
期待と不安を抱きながら、一年生のクラス表を見る。
「あ、あった!私、B組!!あ!瞳も一緒だよ!?」
この子は私の親友、羽山瞳[ハヤマヒトミ]。
「嘘ー!?やったぁ!!!」
私たちは思わず抱きしめあった。
「…」
…まただ。
さっきから男子とばっか目が合う。そんなに私変?なんか恥ずかしいな…。
「ねぇねぇ!!」
瞳が少し興奮気味で私の体を揺らす。またイケメンでも見つけたんだろう。瞳はイケメン好きだから…。
「あの人、見てみて?」
瞳の指さす方向を見ると…
「あ…」
すっごくカッコイイ人…。
でもなんか女遊び激しそう…。
「先輩なんだけど、あの人結構有名なんだって!この高校のNo1プリンス…///」
瞳、目がハートになってるよ…。
「なんていう名前なんだろぉ…」
イケメン好きの瞳だけど一応、彼氏はいる。もちろんイケメン。
彼氏も瞳のイケメン好きは承知の上。
「新入生の人は私についてきてくださーい」
とは言え今日から新しい高校生活が始まる。
って入学早々あんなことになるとは…。