拝啓、ばあちゃん【短編】
2
子供の頃、俺は俗に言う不登校児だった。
別にいじめられていた訳でもないし、今となれば、特に理由も思い浮かばない。
ただ、小学校4年生にもなれば、自分が周りにどう思われているかという事が、それとなくわかってくる年頃で。
体の大きかった俺、あまり笑わなかった俺、よく遅刻や早退をしていた俺。
「優心君のとこ、お母さんいーひんねんて」
そんな俺を、周りは敬遠するようにヤンキーだと言い出した。
正直、面倒くさかったし、否定する気さえ起こらなかった。
でもそんな中、俺に好意を寄せる女の子がいた。
クラスでも友達の輪の中心にいる、坂本さんという女の子。
ある日の休み時間、坂本さんの取り巻きに呼び出された俺は、3階の人気のない音楽室の前で、告白された。
「好きやし付き合って!」
「無理」
かわいくて明るい子だった。
好きだと言われれば、自分も好きだと錯覚しそうだった。
でも、幼稚だった俺が照れ隠しに言った一言は、それだけだった。
「優心君が坂本さんの事振ってんて」
お喋り好きの女子達によって広められたその噂は、ますます俺の居心地を悪くした。
勉強は全くおもしろくない。
毎日毎日、同じ事の繰り返し。
俺は、何の為にここにいるんだろう?
別にいじめられていた訳でもないし、今となれば、特に理由も思い浮かばない。
ただ、小学校4年生にもなれば、自分が周りにどう思われているかという事が、それとなくわかってくる年頃で。
体の大きかった俺、あまり笑わなかった俺、よく遅刻や早退をしていた俺。
「優心君のとこ、お母さんいーひんねんて」
そんな俺を、周りは敬遠するようにヤンキーだと言い出した。
正直、面倒くさかったし、否定する気さえ起こらなかった。
でもそんな中、俺に好意を寄せる女の子がいた。
クラスでも友達の輪の中心にいる、坂本さんという女の子。
ある日の休み時間、坂本さんの取り巻きに呼び出された俺は、3階の人気のない音楽室の前で、告白された。
「好きやし付き合って!」
「無理」
かわいくて明るい子だった。
好きだと言われれば、自分も好きだと錯覚しそうだった。
でも、幼稚だった俺が照れ隠しに言った一言は、それだけだった。
「優心君が坂本さんの事振ってんて」
お喋り好きの女子達によって広められたその噂は、ますます俺の居心地を悪くした。
勉強は全くおもしろくない。
毎日毎日、同じ事の繰り返し。
俺は、何の為にここにいるんだろう?