拝啓、ばあちゃん【短編】
中学生になったある日、俺はいつものようにばあちゃんを訪ねた。


入ってすぐに目に入ったのは、おばさんの姿だった。


いつもは俺の顔を見るなり嫌味を言って、すぐにどこかへ行ってしまうおばさんが、今日はやけに威圧的で、ばあちゃんの隣から離れない。


珍しいな、どうしたんだ、と思っている俺の疑問は、すぐに打ち砕かれた。


「おばあちゃんが、あなたに話があるって」


おばさんが俺の目をチラリと見て、自分達の前に腰をおろせというような手振りをする。


「何?」


ゆっくりと腰をおろした俺は、ばあちゃんに優しく問いかけた。


ばあちゃんはうつむいたまま、俺の顔を見ようとしない。


そんな沈黙をイライラするかのように、おばさんはばあちゃんを睨み付けている。


しばらくして、ばあちゃんはゆっくりと顔を上げ、観念したように、重い口を開いた。


「優ちゃん、そろそろね、学校に行った方がいいと思うの」


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