拝啓、ばあちゃん【短編】
しばらくして、俺はばあちゃんの部屋に向かった。
「ばあちゃん…」
縁側で、背中を丸めて小さくなっているばあちゃんに声をかける。
聞こえていないのか、庭をボーッと見つめたまま、振り返らないばあちゃん。
俺はその隣にゆっくりと腰をおろし、ばあちゃんの視線の先の朝顔を眺めた。
いつだったか、ばあちゃんの調子の良い日に、一緒に植えた朝顔だった。
「綺麗に咲いてるな」
そう言って、ばあちゃんに笑いかける。
その瞬間、俺の胸がドクンと大きな音を立てた。
くぼんだ目頭と皺々の頬に光る、透明の液体。
「優ちゃん…」
ばあちゃんは俺に気付き、淋しげに微笑む。
「早くおじいさんのところに行きたいよ」
そして、静かにそう言った。
「ばあちゃん…」
縁側で、背中を丸めて小さくなっているばあちゃんに声をかける。
聞こえていないのか、庭をボーッと見つめたまま、振り返らないばあちゃん。
俺はその隣にゆっくりと腰をおろし、ばあちゃんの視線の先の朝顔を眺めた。
いつだったか、ばあちゃんの調子の良い日に、一緒に植えた朝顔だった。
「綺麗に咲いてるな」
そう言って、ばあちゃんに笑いかける。
その瞬間、俺の胸がドクンと大きな音を立てた。
くぼんだ目頭と皺々の頬に光る、透明の液体。
「優ちゃん…」
ばあちゃんは俺に気付き、淋しげに微笑む。
「早くおじいさんのところに行きたいよ」
そして、静かにそう言った。