拝啓、ばあちゃん【短編】
周りが談笑する中、俺はその話をぼんやりと聞きながら、壁に並べてかけられた、亡くなった先祖の写真を眺めていた。


ばあちゃんの写真はまだまだ元気だった頃の、ふっくらとした笑顔で笑っているもの。


それは、俺がばあちゃんを思い浮かべる時の笑顔と同じだった。


間もなくしてやって来た坊さんが、仏壇の前でお経を唱え始める。


ばあちゃん…


あれから、じいちゃんには出会えたのか?


今、幸せに過ごしているのか?


そして。


死ぬ間際、いや、ばあちゃんの記憶が曖昧になり始めた頃から…


ばあちゃんは何を思っていたんだ?


そんな事を考えながら、いつだったかばあちゃんが仏壇の前でお経を唱えている姿を思い返していた。


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