色あせた花


―――――――…………


私は全て話した。


私の過去。

私が思ったこと。




気が付くと、涙が溢れていた。




『美花……辛かったんだな。』



電話越しで聞こえる愛しい声。

私の耳元で聞こえる愛しい声。




声だけじゃやだ。

会いたい……。





「うぅっ……り…陵ぉ……。」

『美花…ちょっと待ってろ。』



プツッ


……え?



ツーツーツー



……なんで切っちゃったの?



しばらく呆然としていると

プルルル……♪

携帯電話が鳴った。



「もしもし……」

『もしもし!?…はぁはぁ、

今から外、出れる?』

「え………うん!!!」



私は急いで電話を切り、家を出た。


「――っ陵!!」

「美花…。」


私は陵に抱き着いた。


すごく会いたかった。

電話が切れてビックリしたけど

嬉しい。




陵は急いで来たらしく

息が荒い。



「美花……俺が側にいてやる。

いつでも抱きしめてやる。

毎年、祝ってやるよ……?」

陵も私を抱きしめて言った。


「…り……ヒック、りょー…。」

もう涙が止まらなくて

うまく話せない。



その後もずっと黙って抱きしめてくれた。



やっと落ち着いた私は

陵と近くにあったベンチに座った。




「明日、会うのに

今日も会っちゃったなぁ。」

陵が言った。


私はクスッと笑い

「……だね。」

と答えた。




陵……?

貴方がいて良かったよ?



「陵?」

「ん?何?」

「ありがと……う。」

「……あぁ。

どーいたしまして♪」



ちょっと照れてうまく言えなかったけど

陵には、いっぱい言いたい。


ありがとうって。


ありがとう、ありがとう。



大好きだよ―――……


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