色あせた花
「着いた着いた〜。」
私は病院に着き、
自動ドアを通った。
すると、陵はもう
ロビーにいた。
「陵っ!!!」
私は手を振った。
「あっ、美花♪」
陵も満面の笑みで手を振った。
私は、陵の所に駆け寄って
「退院、おめでとう。陵。」
と言って、花を渡した。
「おっ!!ありがとな♪」
陵が、満面の笑み以上の
笑顔で言った。
「いえいえ♪」
私が言ったと同時に
2人は手を繋いで
ロビーのイスに座った。
「綺麗な花だな。
……美花みたいにっ★
あ、美しい花か!!!
で、美・花♪」
「わっ。」
陵がいきなり、
私のほっぺにキスをした。
「お、お世辞どーも。」
私は必死で平気なフリをした。
でも、顔は赤くなってしまった。
「はははっ!!!
あ、美花、これ。」
陵は、笑った後
何かを思い付いた様に
自分の鞄の中から何かを出した。
「誕生日プレゼント♪」
陵は、そう言い
私と繋いでいる手と逆の手を
グーからパーにした。
「指輪・・・?」
「安物だけどなっ。
ほら、ペアリング♪」
陵は、そう言いながら
私に指輪をはめてくれた。
「良かった!!!
ピッタリじゃん!!!!!」
そう言っている陵の手にも
私と同じ指輪が、はまっていた。
「遅れたけど、誕生日おめでとう♪」
「あ、ありがと・・・。」
私は、自然と涙が溢れていた。