色あせた花
―放課後―
皆が少しずつ教室から出て行く。
私もゆっくり帰る準備をしている。
そして
私がスクバを持って、教室のドアに向かおうとした時―…。
「あぁ!!ちょっと待って!」
後ろから声が聞こえた。
「?」
振り返ると、6限目に問題の解答を教えてくれた男子だった。
男子は辺りを気にして、キョロキョロしている。
教室には、もう数名しか残っていなかった。
男子は声をかけてきたくせに、さっきから
ずーっと黙っている。
最終的に
教室にいるのは私達だけになってしまった。
「何か用?」
私が手を腰にあてて
不機嫌そうに言った。
すると
男子はずっと閉じていた口を開いた。
「ぇ、えっと……そのっ……。」
「??」
「俺と付き合って下さいっ!!」
「!!??」
私は少し驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻し、
「ごめんなさい……。」
と言った。
男子は一瞬、泣きそうになり
下を向いている。
そして
「……じゃぁ、せめて1日だけでも付き合って下さい…!!」
………はぁ。
たまにいるんだよねー。
こういう、しつこい奴。
「私の気持ちは変わらないよ?」
私は半分、面倒臭そうに言った。
すると
男子が勢いよく顔をあげて
「変わらせてみせるからっ!!」
と言った。
「………。」
…………………ウザい。
「……今度の日曜日!!一緒にどこか行こうっ!!!」
男子は諦めない様子で言った。
…………まぁ、家にいても、つまんないし。
「………いいよ。」
「まぢでっ!?」
むっちゃ喜んでる男子。
「……うん。」
半分、呆れてる私。
「よろしく!美花っ☆」
………本当に【1日だけ】っていう約束を守ってくれるのか??
………まぁ、とりあえず。
「……よろしく。」
「………。」
「……ぇ?」