アッパー・ランナーズ〜Eternal Beginning〜
『オオオオオオオオォォォォォォォォン!!』


「いぃ!?」

「だー!うるせえ!バカ!機龍の咆哮なんて聴いたら、この国の治安維持官がすっ飛んでくるだろーが!」

グラサンがぼくを掴んでない方の手で耳を押さえながら叫んだ単語。それには聞き覚えがあった。

機龍。


最近テ・レビジョンやカルガンチュア・ジャーナルなどのメディアを騒がしている賊がいる。

鋼の龍型スカイラン、通称《機龍》に乗った彼らは、各国の領空を奔放闊達に飛び回り、ある時は悪徳貿易商人の商品を全て奪い去り、またある時は秘密裏に軍事国家の新型戦闘艇を破壊していったという。

目的不明の空の翔り屋集団。


アッパー・ランナーズだ―――。
< 23 / 28 >

この作品をシェア

pagetop