やさしい神の作りかた
奥にのびる、土がむき出しになった茶色の道を進むと。


昔の記憶より古ぼけて見える、丸太小屋があった。


山吹文庫と書かれた木の看板もそのままだ。


なつきが先頭でドアを開けて中に入る。


「こんにちは」

「いらっしゃい」


入り口のカウンターにいる館長の山吹さんに挨拶をする。


山吹さん、昔の記憶よりもずいぶんと老けたなあ。白髪だらけじゃん、額のシワふかっ!挟まれたら抜けらんなさそう。


とか、ぼんやり思っていたら。



「ほら、こっちこっち」


なつきが指をさす。


正直、俺は教団とかどうでもいいんだけだよなあ。



なつきと一緒にいられる、と思ったからとっさに興味あるフリしただけだし。


とか思いながらも、ちゃっちゃと付いてく俺。



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