やさしい神の作りかた
「なーに見てたのかしら?」


「いやいやいや、ほら……足の後ろ側の本見たいなって…ね?」


「あら、そうなの?ごめんさいねー…って、引っかかるかこのバカ!」


ぱちーん!


女神の顔は、一瞬で阿修羅像へとチェンジした。


「…ごめんちゃい」


頬に紅葉マークを貼りつけたまま、床とお友だちになって、深ーい土下座をする俺。


「まったくもう、男ってエッチなんだから」


顔をチラっと上げると仁王立ちで腕を組んでいるなつき。


こりゃーマズいぞ。怒ってら、なんとかしないと。


ひとまず現実逃避に、ピントをなつきから背景に移したら。


偶然見つかっちゃった例の本。



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