やさしい神の作りかた
階段を駆け上る。薄暗くなった廊下には、窓のから規則的な配置の明かりが差し込み、模様みたいになっていた。


教室の少し重たいドアを横に引く。


誰もいない教室。


「ヘッヘッヘッ」


机に駆け寄り、お目当ての本を取り出し抱きしめる。


「会いたかったぜ!」


カバンに突っ込み、用は済んだとルートの折り返しをする俺。


校内とフェンスまでの間は林が広がっている。


噂によるとここは、学校の七不思議うちのひとつである“木目ババア”がいる場所だ。


木目ババアは自分の体を木目模様に変えて木に隠れ、人が来ると長い舌で巻いて食べてしまうらしい。


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