(話術師外伝)『嘘つきウサギ』
「了解した。さっそくお支払いをしよう。明日の午後3時。君のネットバンクを見ているがいい。そして、報酬が確認されたら、ハッキングを仕掛けるより先に、マルディウスワールドに着て欲しい。君とならいいパーティが組めそうだ。」



 返信はすぐにやってきた。



 こいつ、あろうことか私と一緒にマルディウスといかいうネットゲームをやろうと持ちかけてきやがった。


 よほど友達がいないのか・・・。


 それとも・・・昔、私に快く多額の募金をしてくれた、男どもの誰かの仕業か?


「まぁ、その線が一番高いか・・・。」


 その割には回りくどいやり方だ。


 まぁ、復讐なんて人それぞれのやり方があるし、別にそれぐらいで驚きもしないし、逆を言うなら、そうであったほうが目的が分かりやすくていい。


 どちらにしても明日になれば分かることだ。


 私は4台あるパソコンの電源をすべて落とすと、その日は眠りについた。



 その日が・・・私が『真人間』として、生きてきた・・・最後の夜になるとも知らずに・・・。

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