(話術師外伝)『嘘つきウサギ』
7.大和
弥生「私を使うとは、いい度胸ね。」
反応は、さっそく来た。
次の日、私の前には「本物の弥生」が現れる。
別に予想していたことだし、それぐらいの対抗策は考えている。
うさ美「私に大和のマネは出来ないもの。我ながら子供だましの手だと思ったけど、案外、自分に自信を持っている人間ほど、足元がお留守になっているものよ。」
弥生「ええ。おかげで、いい教訓になったわ。戦国には悪いけど、今回のような子供だましの手段は私たちにとってはいい薬ね。」
うさ美「お褒めに預かり、光栄よ。」
弥生「でも、あそこで私が邪魔しにくるとは思わなかったの?」
うさ美「アナタこそ、本当に私が「名前の改ざん」という、高度なハッキング術を持っていると思っているの?」
弥生「・・・・なるほど。本当に、頭の切れる部下を手に入れたことね。あいつも・・・。」
嘘つきウサギ。
すべての存在が嘘で固められているからこそのこの名前。
私の存在はどこにでもいて、どこにもいない。
さぁ、騙されろ。
さぁ、踊れ。
すべて私の言葉の中で。
私の嘘の元に・・・。