(話術師外伝)『嘘つきウサギ』

 私の背中に、冷や汗が流れる。


 これだけのこと・・・ただの復讐鬼がやるとは思えない・・・。


 ヤバイ世界には、それなりに鼻が利くほうだけど、これは度を越えている。


「逃げようかなぁ~・・・。」


 口にして、そんなことをしたらどうなるかが、恐ろしかった。


 もはやこの時点で・・・いや、おそらく『劉備』という人間からメールをもらった時点で私の退路は立たれていたのだろう。


 なぜ私なんだ?


 いまさら、考えるだけ無駄だ。


 実際に、私は厄介なヤツにメールを返し、実際に金を受け取ってしまった。



 もう・・・・・逃げられない・・・・・。


 ならばどうする・・・。


 決まっている・・・。


 選択肢は立った一つ。




 ・・・・・・・・・正面から打って出る!!



 これこそが・・・すべての始まり・・・。


 私が、本来の名前を捨て・・・


 後に『嘘つき』と呼ばれるすべてもの始まりだった・・・。


 戦争は・・・時にもう始まっていたのだから・・・。



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