†逝き先采配者†

現在は大学に通っている。
特にやりたい事も無かったが、今の時代大学は出て置いた方が良い。
多少興味のあった学科に入った。
アバウトに言えば、コミュニケーション力を豊かにする学科だ。

そのため比較的難しい授業も無く、普通に所謂女子大生を楽しんでいた。




ある日の夕方。
この日は5つ下の妹の誕生日だった為、青羽はケーキを買って自宅へ帰ろうとしていた。

店を出て街を歩いて居たその時だった。

「き……きゃぁぁあぁーーーっ!!!」

突然後方から悲鳴が聞こえて来た。
びっくりした青羽は振り返ると、女が一人腕から血を流して倒れて居た。
その周りで友人らしき女性が悲鳴をあげ、周りの者も理解しがたい様子で慌てふためいて居た。


そして状況を理解出来ないまま
視線を横にずらした

その瞬間

………――――――


青羽の時は止まった。


目に写るのは見た事も無い男
感じるのは胸から流れ出る生暖かい液体
聞こえるのは更なる悲鳴

ゆっくりと崩れ墜ちる体

次第に遠のく意識



そして、暗闇に入った。



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