おさななじみ

俺はもう、兄貴と比べられるのが嫌で、いわゆる“不良”って奴になった。

小学生の頃は、まだ可愛らしい“ガキ大将”ってのだったが、どんどんエスカレートしていったんだ。

俺が死ぬほど兄貴と比べられるのを拒んだくせに、自ら兄貴と比べた。

すごくつらくて、つらくて。

どんどん兄貴といい感じになってく澪を見て、何も出来なくて。

俺は落ちる一方だった。

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