タイムマシーン
樹衣斗は、何も言わなかった。

言えなかったのか?

立ったままいたのか
泣いてるのか
怒って帰ったのか

分からない。

振り向くのが恐くて
確認しないまま歩いた。


セミの鳴き声が遠くなる

ジリジリと焼きつける
夏の太陽が
私の影を伸ばしていく


一人の影。
隣りに樹衣斗はいない。
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