Last Game〜過ぎ去りし日々〜
「もうとっくに下校の時間過ぎてるやろが。」


俺らに話かけてきた白髪混じりの優しそうな人は確か三年の担任。



そして野球部の監督。


「別に。ちょっと見てるだけ。」


俺が答えた。


「お前ツレちゃうねんから敬語ぐらい使えよ〜。まぁええけど。(笑)どぉした?野球部入りたいんか?」



先生は笑みを浮かべながら言った。



「そんなんちゃうけどまぁ暇潰しに見てるだけかな。」


俺は自分の考えとまったく違う事を言った。




「斎藤と長瀬。お前らうちの部に入ってくれよ。」



!?




ほぼ面識の無い先生が名前を知ってた事と、野球してた事を知ってる様な言い方やった事に俺と弘貴は驚いた。



「先生俺らの事知ってんの!?」


弘貴が驚きの表情を浮かべながら問いかけた。




「俺も指導者の前にいち野球ファンや。朝倉中学の斎藤、長瀬って言うたら有名やないか。お前らが部に入ってくれたらうちも甲子園が近くなる。」



「先生、俺らのその後の事は知らんやろ?」


俺はこの話を知ると、先生は諦めると思ったけど、違った。



「知ってるよ。」
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