Last Game〜過ぎ去りし日々〜
「ナイスバッティング」


「ちょっとバットの先やったけどな。」



弘貴と一言だけ言葉を交わして、マウンドに上がった。



キャッチャーの興毅が



「球種は?サインはどうする?」

と聞いてきたので、


「ストレート以外投げる気ないから、コースにだけ構えてくれよ」


と言った。


興毅は驚いていたがあまりにも自信満々な俺を見て、わかった。とだけ言うと、ポジションに戻った。



久しぶりのマウンドの独特な雰囲気に俺は早く投げたいという感覚になった。



そして一番バッターへの初球。





バシーン!!!



「な!?マジかよ…」




バッターはバットを構えたまま、固まっていた。
< 52 / 64 >

この作品をシェア

pagetop