Last Game〜過ぎ去りし日々〜
「スッ…ストライク!!」


久しぶりの全力投球。



キャッチャーミットはボールと共に、バックネット近くまで飛んでいた。



「俺が捕れへんだ!?」


興毅は呆然として自分の手を見ながら呟いた。



そんな興毅を見て、ケガでもしたら可哀想なので

「ちょっと加減しよかぁ?」


っと言うた。





「次や!次は絶対捕ったるわ!!」



どこか嬉しそうに言う興毅を見て、俺は二球目も全力で投げた。




バチーン!!!




相変わらずバッターはバットを振れずにストライクを見逃した。


「まさか二球目で捕るとはな…。」



興毅はしっかりボールをキャッチしていた。



「ハハハッ!空!お前マジすごいで!!!」



「お前もな。」



俺がこう言ったのは、今まで俺の球を受けようとしたキャッチャー全員、突き指を何度も繰り返し、まともに捕るのに一ヶ月以上かかっていた。



それを二球目で捕る興毅は、素晴らしいキャッチング技術をもってると思ったから。

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