Last Game〜過ぎ去りし日々〜
「ストライクバッターアウト!」



一球ボールをはさんで一人目を空振り三振に取った。




「140キロ以上でてる!?」


「言い過ぎやろ!?でも130キロ後半は出てると思うで!」



周りは相変わらずザワザワしている。





その後、二番、三番もバットは振ってくるものの、完全に振り遅れ、三振に取る。



そして四番にはキャプテンの高口が入った。



一球目は見逃し、その後の二球目



カーン!!



…初めてバットに当ててきた。




打球はバックネットに飛んでいた。


タイミングは合ってるな…



「弱小校でも一応四番なだけありますね。」





「覚えてないか斎藤?お前らが二年で全国優勝した夏の大会。地区予選の準決勝で戦った中学の四番が俺や。」


「全国優勝!?」


「そぉいえば斎藤と長瀬って確か聞いたことあるぞ」


周りはまたざわめきだした。



「………」






予選の準決勝は一番苦戦した試合やった。


その試合は4ー3で勝った試合だったが、四番バッターには一時逆転となるスリーランを打たれた。



確かに体は少しゴツくなってるが、バッターボックスに立つと面影があった。




「思い出しましたよ。あんたは思い切り抑えさせてもらいますわ!」





そして三球目を投げた。





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