ワケありＳＭごっこ
確かに大竹くんは、創と違って優しい。




もしも、大竹くんみたいな真面目で優しい人がわたしを受け入れてくれるとしたら、





きっと、こんな風に曖昧で体ばっかりの関係に……ヤキモキして苦しむことは無いんだろな。





わたしが欲しい、
“好き”って言葉もきちんと言ってくれるハズ……。





「……創には関係無いでしょっ」




瞳だけを伏せ、創から視線を外して小さく言い放つ。





チラッと視線を上げ、怖いもの見たさで創の顔色を窺えば、




「っん！」





有無を言わさず唇を塞がれた。




苦しくて抵抗するわたしの手を握る力が強い。





「 ぃっ、いやっ！」




痛くなった手首を振り解き、創から身を縮め拒絶をした。





創は不機嫌にわたしを見下ろしている。




「これが嫌なのっ！」




こんなこと、創に嫌われるのが怖くて言えなかった。




「どうして……体だけなのっ？」





こんな風に泣いたりして、創に嫌われるのが怖くて泣けなかった。






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