ワケありSMごっこ
しかし、素直に応じてくれる訳もなく、
「なにっ?」
言いながらシャツを脱ぎ捨て、わたしのセーラー服まで手をつけてくる……。
そんな創の手を握り締めて、
「なんで……旧音楽室でエッチしてから……無視してたのっ?」
縋るように創を見つめた。
涙目になってるわたしをじっと見つめた後、
「あんなとこでヤッたから、怒ってるかなぁって思って……実花紗が」
ハハッと笑って誤魔化す顔に怒りが込み上げた。
「あぁやって放っとかれる方が怒るよっ! 創のバカッ!」
歯止めが効かなくなって、また泣き出してしまったわたしに、
「はいはい。わかったって。泣くな泣くな」
創が頭をポンポンしながら、楽しそうにあしらってくる。
「誰が泣かしてるのよっ」
上目に睨んで、むくれたように尋ねれば、
「俺っ」
ふわりと抱き締めてくれる優しい創の顔。
やっぱりわたし、この顔がたまらなく好き……。
幸せの余韻に浸るわたしを、
「次、こっちで鳴かすから」
創の妖艶な笑みが現実に引き戻した。