ワケありSMごっこ

心の中の黒いモノにとりあえず理性という名の蓋をして。


「おはよう世莉奈」


世莉奈を支えていた手に力を込めて抱き締め、出来る限りの滑らかな口調で囁き、


「・・・・・・今日も愛してるよ」


心にも無い愛の言葉と意味の無い口付けを落とした。


・・・・・・・ホント無意味。
こんなのただの操り人形だ。


そうとは知らず。
俺を言いなりにした快感からか、満足げな笑みで笑う世莉奈がすんなりとベッドから立ち上がった。


それと引き換えに溜まっていく焦燥感。


おもむろにネグリジェを脱いだ世莉奈がさっきまでと同じ顔で俺を見つめている。


つまりは、制服を着せろってこと。


いつもと変わらない無表情を貼り付けた俺は、いつもと変わらない無感情で世莉奈の腕に制服を通していく。



・・・・・・いつからこうなったんだろう。

思い出せるのに思い出したくない感情は、世莉奈の傍に居続ける以上多分俺の中に戻って来ないのかも。





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