ワケありSMごっこ
パールピンクのペディキュアから首筋に唇を移せば、愛用してるバスソルトのローズの香りがふわりと漂う。
好きだった匂いも・・・・・・もう何度も嗅いでいるせいかなんとも感じなくなっていた。
「何、でも・・・・・・なく、ないっ。湊、笑ってた、もんっ」
いつから俺と下沢さんのやり取りを見ていたのか。
目ざとくも俺の表情が崩れる瞬間を見られたのがムカついた。
おまえの前では俺は感情なんて捨てたんだから。
世莉奈は指先より首筋の方が弱い。
俺への尋問なんてせずただ喘いでれば良いんだ。
それでも。
快楽に喘ぎそうになるのを堪えながら、途切れ途切れに問いただすのが気に入らない。
強要されているとはいえベッドの上では俺が主で世莉奈が従だ。
・・・・・・これだけは譲れない。
「おまえには関係ないだろ」
「なく、ない・・・・・・ぁあっ!」
抵抗を止めない世莉奈の胸元を強く吸い上げて、白い肌に赤くてみっともないふしだらな証をつけた。
・・・・・・従の証を。