Baby Doll
また気絶しちゃったの?
耳を澄ますと、規則正しい寝息が耳に届いた。
…寝てる?
何だかちょっと心配した自分がばかばかしくなった。
「ばいばい。」
そう彼に呟いてあたしは静かに立ち上がった。
そして緑色の桜並木をゆっくりと歩き出した。
ばいばい。
もう会うことはないだろうね。
シトラス君。
だけどまさか
まさかもう一度シトラス君に再会するなんて―――…
あたしは今もこの出会いを
運命と信じて疑わないよ―…