君に幸せあれ!
新たな友
中学2年生の初夏、私はクーラーのないボロ屋という名の我が家で

「暑い~暑い~」

と団扇をあおいでいた。



すると、トゥルルルルーと家の電話が鳴った。

「このクソ暑いのに電話掛けてくるのは誰やねん…」

とわけのわからない独り言を言いながら電話に出る。


「もしもし」

と出ると、相手は聞き覚えのない声の女の人だった。

「もしもし、加後原(カゴハラ)と申しますが、サチカちゃんおられますか?」

この加後原さんは、私に用事があるようだ。

「サチカは私ですが…」

と私は答えた。
この時点では、塾や何かの教材などの勧誘だと思っていた。


しかし、そんなわたしの予想とは裏腹な言葉を、加後原さんは口にする。



「うち、小島中学校(コジマ中学校。隣町の中学校)の同期やねんけど、サチカちゃん、うちの学校に喧嘩売ってる?」



私の頭の中は「?」で埋め尽くされた。


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