鋼の心
今度こそは…拳銃を落とさまいと、
しっかりと握り締めているはずの拳銃は
段々と傾き始める…。
ただでさえ…過呼吸で呼吸を
奪われていると言うのに…
その上で首を絞められるのは
相当なものだった。
「さぁ、どうする?」
声も出せないルシュアに…
そう声をセレナ…。
視界が滲んで…、
意識が朦朧としてきた。
(もう…ダメ…)
そう瞼を瞑り…
褪せて行く意識の中で…。
「その手を離せ。セレナ。」
と、言う…冷めた低い声が聞こえた…。