鋼の心
段々、大きくなった男の声が耳に響いて…
ルシュアは…ゆっくりと瞼を開いた。
意識がハッキリとしない中…
唇に何か当たっている感触だけが分る…。
空気が口に押し込まれ……
酷く、息苦しくなった。
意識がハッキリしてくると…
目の前にいる人物が…
自分に唇を重ね合わせているのが分った。
その人物は、長い銀髪の……
………ルシウス…。
「っ!!!ゲホッ…ゴホゴホッ」
目を見開いたルシュアは上半身を起こして
咳き込んだ…。