鋼の心








いつも被っている帽子の所為で
髪の色も…瞳の色さえ知らない。


ただ…知っているは……。


顔に傷があるから、という…
顔を隠す理由だけ。


その大きな手で包まれると、
ルシュアは…
いつも安心感で一杯になった。


『どうして謝るの?』

そう尋ねれば…、


『もう護衛ではいられない。』

と、…言い渡されたのだ。


崩れる…関係が怖かった。
ルシュアには…。








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