鋼の心
「何故…ビオが出てくるの?」
「いいから答えろ。」
ルシュアにそう
言い放つルシウスの顔は
やはり悲しそう…。
「違うわ。」
ルシュアは小声で答えて笑顔を作った。
「では…キャッシュか?
それともダリムなのか?」
「いいえ…、」
「ならば……セレナ。
あやつなのか?」
ルシュアに返答する時間も
与えないルシウス。
ルシュアは眉間に皺を寄せた。
あの堂々たる彼の顔が…どうして…
今、普通の男になっているのか、と。