鋼の心
「また見てるのか?その拳銃を。」
ダリムは眉間に皺を寄せながら
ため息を吐く……。
「あぁ…、我らしくない事を
彼女に聞いてしまった。失態だ。」
力無く笑うルシウスに…
ダリムは真剣な表情を見せた。
「そんな物を見つめる
暇があるのなら…
自分の正体を明かしたらどうなのだ?
ビオが彼女を好いている事は…
お前も知っているだろう?」
「…重荷を背負わせたくない。」
そう言ったルシウスに…
ダリムは…らしくないな。と、笑う。
「では聞くが…、
お前はどちらを好きなのだ?」
と、…そう呟くように言ったダリムに…
ルシウスは首を傾げた。
「何が言いたい。」
「ディアナとルシュア。
過去と現在、どちらの彼女を
お前は好いているのだ?」