鋼の心








「氷水を張った桶と、タオルを数枚
持ってきて。また後々、指示を出します。
今日は仕事、中止よ。早く動いて。」

口早に言ったルシュアに…
ルシウスは立ち上がった。


「いらぬ事を言うな。」

と、そう言ったルシウスの顔は
やけに苦しそう。


ふらっと揺れる体をルシュアは支えて…
呆然と立ち尽くす2人を睨み見る。


「ドンの女である私の命令よ!
早く動きなさい!!」

ルシュア大きな叫び声…。

キャッシュはふっっと笑い、
口を開いた。


「御意」


その言葉を最後に
部屋を出て行った2人…
ビオがそれを躊躇っていた事に
気付いたのは…ルシウスだけだった。










< 137 / 222 >

この作品をシェア

pagetop