鋼の心
「氷水を張った桶と、タオルを数枚
持ってきて。また後々、指示を出します。
今日は仕事、中止よ。早く動いて。」
口早に言ったルシュアに…
ルシウスは立ち上がった。
「いらぬ事を言うな。」
と、そう言ったルシウスの顔は
やけに苦しそう。
ふらっと揺れる体をルシュアは支えて…
呆然と立ち尽くす2人を睨み見る。
「ドンの女である私の命令よ!
早く動きなさい!!」
ルシュア大きな叫び声…。
キャッシュはふっっと笑い、
口を開いた。
「御意」
その言葉を最後に
部屋を出て行った2人…
ビオがそれを躊躇っていた事に
気付いたのは…ルシウスだけだった。