鋼の心









「何故だ?何故…そんな顔をする?」

そう尋ねてきたダリムに…
ルシュアは首を振った。


「言えないわ…。こんな事。」

と、辛そうな笑みで微笑むルシュア…。


居た堪れなくなって…
ダリムは口を開く。


「誰にも言わない。約束しよう。
言ってみるがいい。」

そう言ったダリムに…
ルシュアは…にっこりと微笑んだ。


「軽蔑するでしょう?」

「そんな器の小さな男ではない」


あくまでルシュアの為に…。
ダリムはそう言っていた。


「ありがとう…。私ね?」

そう口を開いた彼女に…
しっかりと目を向けるダリム。



次の瞬間…
ダリムは言葉を失うのだった。








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